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2021/1/12

 

「ジークフリート」の公演延期について

 

 

昨年の春から、演劇界に新風を巻き起こそうとじっくりと稽古を進めて来た「ジークフリート」の一月八日の公演は、コロナウイルス感染拡大のため、断念せざるを得ませんでした。充実した熱気のある稽古で、仕上がりも手ごたえを感じていただけに、皆様に御覧頂けなかったことは本当に慙愧の念に堪えません。また、チケット販売等、皆様にお気使い、ご心配をお掛け致しました事、深くお詫び致します。

 

しかし、「ジークフリート」はこれで終わった訳でなく、感染拡大が収まり次第必ず公演致します、勿論、同じメンバーで。

 

何の不安もなく、平和な春を、夏を、待ち遠しく感じた年は経験したこともありません。家に閉じこもり、たまに外に出る時は、マスクをして出来るだけ人との会話をしない。イベント、スポーツ、芸術鑑賞も出来るだけ差し控える。つい一年一寸前では誰が想像したでしょうか?先日、イタリアに住んでいらっしゃる、塩野七生さんがNHKのインタビューで「・・・これまでヨーロッパの歴史上、疫病が流行したことは何度もありますが、直ぐには収束しませんでした。・・少し日本人は完璧を求め過ぎるのではないでしょうか?・・・」と仰っていました。毎日、マスコミ界では似非評論家たちが「ああでもない!馬鹿だな、こうすればいいのに!政府の対応が遅すぎて、無能だ!」と喧しく叫んでいます。私も嫌いではないので最初はよく聞いていましたが、些か辟易して来ました。このままの状態が続くと、疑心暗鬼で人間不信に陥ります。いや、もうそうなっているのかも知れません。

 

人に何かを伝える為には、目だけでは難しく、口元や、顔全体、身体全体の表現が必要です。喜びを表す為、或いは別れを惜しむ時、外人はよくハグをします。私もハグをしますが、一瞬の躊躇いが頭をよぎります。早く自然な人間の営みに戻りたいものです。

 

お芝居は鏡のように社会の実相を捉えて、お客様に「ああ、こうすればいいのか?親子の関係は?社会との付き合いは?恋をすることは?或いはその別れは?・・・」と気付かせて、感動を与えてくれます。早くまともな世界に帰って欲しいと切に思うこの頃です。

 

2020/5/3

 

「ジークフリート」が書かれた背景

 

 

ジャン・ジロドウとルイ・ジュヴェが初めてタッグを組んで舞台になったのが、1928年の「ジークフリート」だった。当時の時代背景を調べると、如何に厳しい激動の時代だったかが分かります。1929年の世界大恐慌の前年、「ジークフリート」初日の幕がパリで開いた。この時の世界動向に目を移すと、ドイツでは既にアドルフ・ヒットラーが1920年に「国家社会主義ドイツ労働党(ナチス)」を結成している。第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約(ドイツのGNPの2倍半の賠償額を支払う条約)に反対してドイツ国民の不満は爆発寸前だった。この条約と大恐慌が絡み合って比類なき残虐な独裁者、ヒットラーを生み出した。1933年にはヒットラーは内閣を手中に収め、そして1939年にはヴェルサイユ条約を破棄して、ポーランドへ侵攻し、第二次大戦の火蓋が切って落とされた。

 

ジロドウはこの間、1924年にドイツ大使秘書官としてベルリンに赴任している。そしてフランスに帰り、俳優兼演出家のルイ・ジュヴェと歴史的な出会いをする。彼の助言のもとに46歳にして初めて戯曲を書き始めたのだ。前述の「ジークフリート」然り、1933年の「間奏曲」、1935年に「トロイ戦争は起こらないだろう」をルイ・ジュヴェ劇団のコメディ・デ・シャンゼリゼ座の為に書いている。また戦争勃発時に代表作「オンディーヌ」を書いて、ゲルマンの森にひそむ水の妖精「オンディーヌ」と騎士「ハンス」の純粋無垢な、美しい男女の愛の傑作を書いたのである。本来ならこの時に敵国であるドイツのゲルマンの世界を舞台化するのは尋常ではない。ジャン・ジロドウはフランス人でありながら隣国ドイツをこよなく愛していたことが覗われる。彼は当時のタラディエ首相に請われ、ドイツと戦う為に情報局長になっている。その後地下に潜り、1940年から1944年までレジスタンスとしてフランスを守りながら、「べラックのアポロ」「ソドムとゴモル」を書き、1944年、終戦間際に「シャイヨの狂女」を書いて、この天才は息を引き取ったのである。1945年、ルイ・ジュヴェは南米から帰国したが、ジロドウの死に目には会えず、この貴重な遺作、「シャイヨの狂女」を花向けに素晴らしい公演したと云う。ジャン・ジロドウが戯曲を書き出して、僅かたった16年間の歳月だった。

 

ジャン・ジロドウの偉大さは、社会や戦争の荒波と闘っただけではない。当時のフランス演劇はラシーヌやモリエールの古典悲喜劇の桎梏から脱却して、象徴的演劇、ロマン派の演劇が出てきたが、何といっても自然主義を唱えたアンドレ・アントアーヌだろう。北欧のヘンリック・イプセンの影響などもあって(舞台に実人生の断片をのせる)と言って彼は「自由劇場」を作った。またその思想を継承して自然主義に文学性を取り入れたのが、ジャック・コポーたちである。コポーの存在は大きくフランス演劇界に衝撃を与えた。彼の影響を受けたのがルイ・ジュヴェであった。しかしジュヴェは反自然主義、反商業主義を唱えて、コポーたちから袂を分かつことになる。そんな時にジュヴェは一人の芸術家と出会う。ジャン・ジロドウである。二人は理念もドラマの作り方も共通するところが多かった。ジロドウの演劇論は「実人生の写実でもなく、リアリズムだけでもなく、詩情的で、文学性があり、芸術的なものでなければならない。日常の細々としたものだけを追求するのではなく、宇宙的な広がりを舞台に求めた。そして舞台空間は霊感を秘めた場所となって観客を喜ばせなくてはならない」と持論を説いた。

 

こうした二人の関係も束の間で、1944年ジャン・ジロドウは66歳でこの世を去った。ジャン・ジロドウがルイ・ジュヴェと一緒に創り上げた16年間は短かったが、永遠に残る名作を私たちに残してくれたのである。

 

ジャン・ジロドウ、ルイ・ジュヴェたちは凄まじい時代を生き抜いて、これだけの名作を世に残した。

 

私たちは、ジャン・ジロドウの「ジークフリート」をミュージカルで公演する予定です。余程の覚悟を持って取り掛からないと名作を汚すことになる。少なくともジロドウが書いた「言葉の芸術」を表現できたらと、肝に銘じて稽古して行きたいと思っています。私たちは、今、コロナウイルスと云う目に見えない怪物と戦っている。しかし、我々は、いや人類はきっと打ち勝つ、必ず打ち勝つ!それまで何とか生き延びなくちゃならない。辛抱強く、助け合い、耐え忍んで生き抜くことが大切です!戦い抜いた暁にはきっと、目には輝きを取り戻し、人々は笑い、喜んで、感動的な舞台を求めて集まってくるだろう!

 

2020/3/22

 

「不思議の森の三日坊主」と「ジークフリート」

 

お陰様で二月二十二日、二十三日、「不思議の森の三日坊主」の公演は無事幕を閉じることが出来ました。全国からお集まり頂き、熱心にご覧頂いたお客様にまずは御礼申し上げます。そして、この作品を高めて下さった関係者の皆さまには深く感謝致します。今回のミュージカルは稽古始めに抱いていた私の予想を、はるかに越えた素晴らしい舞台になったと思います。

 

しかし、何といっても子供たちの頑張りとお父さん、お母さんたちの情熱的なサポートだったと思います。子供たちが十か月間一生懸命努力して来たことが、あの舞台の上で見事に花開いて、キラキラと輝いてくれました。お客様もあの三日坊主の舞台を観て、きっと心から癒されたことだと思います。本当に、本当にお疲れ様でした。

 

さて、私たちはもう次回の公演企画の準備をしています。

 

ジャン・ジロドウ原作「ジークフリート」をミュージカルに致します。ジロドウ独特の格調高い、言葉の美しさは聞いているだけで心を和ませてくれます。そして素晴らしい音楽を新進気鋭の作曲家、志田佳則君が創ってくれました。

 

戦勝で賑やかなフランスと、一方では敗戦で大負債を抱えて苦しむドイツが舞台となっています。

 

第一次世界大戦、ドイツとフランス激戦の最中、フランスの新聞記者で著名な評論家だったジャーク・フォレスチエは出征するが、戦乱に巻き込まれて行方不明になる。終戦後、彼の生還を「今か、今か?」と待ち望んでいた恋人の女流彫刻家、ジュヌビエーブは、ドイツの言語学者から突然「至急、ドイツに来られたし!」と云う電報を受け取る。彼女は「もしかしてジャークの手掛かりが見つかるかも知れない」と思い、ドイツに馳せ参じるが、そこで目にしたのは、戦争で全く記憶喪失となったジャーク・フォレスチエだった。しかも彼はドイツ政府の長官として、敗戦後のドイツを救う国民的英雄、ジークフリートとして彼女の前に現れたのである。そして傍には戦争で負傷したジークフリートを支え、ドイツ語を教え、政界に送り出した、愛人エヴァが仲睦まじく立っていた。

 

常に戦争は人間の運命の歯車を大きく狂わせてしまう。・・・生きること、祖国、戦争、そして愛とは何か?・・・この作品はジャーク・フォレスチエ(ジークフリート)、ジュヌビエーブとエヴァの三人が運命に翻弄されながらも、自らの道を選択して行く、美しくも、儚いドラマである。

 

きっとジャン・ジロドウは独仏を対立軸に、男女の愛を描きながら平和な世界がくるものと祈りながら書いたに違いありません。しかし残念ながら21世紀になっても、寧ろナショナリズムが幅を利かせて横行しています。こう云った風潮には、私たちは毅然として戦って行かなければなりません。

 

さて皆様には、この「ジークフリート」によって、オーソドックスな、言葉の美しい大人のミュージカルお見せ出来ると思います。因みにこれを機会に、舞台で活躍されている、或いは活躍したい人たちも是非とも参加して頂きたいと考えています。幅広くオーディション、ワークショップをして、多くの仲間と協力して創り上げたい。ご興味、御関心のある方は、こちらまで挙ってお申し込み下さい。 noriko-okamoto@ksf.biglobe.ne.jp

 

お問い合わせ

TEL

 080-1010-3878

E-mail

 noriko-okamoto@ksf.biglobe.ne.jp
   

 

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